「カステラ」って日本語ではないの?


一番有力な説は、スペイン語の「カスチラ王国のお菓子」が由来ということ。でも実は別の説もあって、カステラを作る工程の中でメレンゲを泡立てる際、「城(カステロ)のように高く膨らめ!」と言ったからとも言われているのです。

また、カステラの一番の特徴は、スポンジケーキパウンドケーキのようで違う、しっとりふかふかの食感。
元々はスペインの「ビスコチョ」やポルトガルの「パンデロー」のお菓子が原型と言われています。更に遡ると、中国の点心「マーラカオ」がこれらの元祖では、という声もあるのだとか。

カステラはいつから日本で食べられ始めたの?

そんなカステラが日本に上陸したのは、室町時代の1540年頃。
南蛮船によりカボチャ金平糖たばこ鉄砲等と一緒に長崎周辺に持ち込まれました。(カボチャや金平糖も外来語だったなんて・・・!
当初のカステラは乳製品を用いてなかったため、日本でも作れると判断し人気が広まったのでしょう。
でも、オーブンはなかったはずなのにどうやって・・・?それは、引き釜と呼ばれる炭を使って上下から熱を加える日本独自の”オーブン”でした。この引き釜が、カステラを作るために考案されたのです。

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そこからは人気に火が付いたように、大阪や東京でもカステラが食されます。特に宴会や接待・お茶会の時、また献上物としても大変喜ばれ、なんとあの豊臣秀吉カステラを好んで食べていたとか。実際、江戸に発行された料理本の中にはカステラの製法が記されていたそうです。

豊臣秀吉

 

江戸後期から明治にかけては、更に改良が進み、現在のカステラに最も近いものを食べていたと思われます。
そしてなんと、結核等の病人用に、一種の栄養剤としても用いられていました。明治以降は和菓子のテイストも加わり、多くの人に愛されるお菓子へと発展してゆきます。

実は、私も数年前に長崎へ旅行で行き、その際カステラ作りを体験しました。実際にカステラを作っている工場の一部をお借りし、
家庭用ではなく業務用の大きなパレット型、大きなガスオーブンを使って、友人たちとワイワイ・・・いえ、みんなわりと真剣に!
工場の方の指導の元、初めて作るカステラは思った以上にコツが必要でした。焼き立てのあのあま~い優しい香りとふかふかの食感、今でも忘れられません。

カステラ作り

今や日本語として、日本のお菓子として普通に私たちの生活に浸透しているカステラ。
ずっとずっと昔の我ら祖先にとっては「なんだこの美味しい食べ物は!」と驚いた、世界がひっくり返ると言っても過言ではない品物だったのです。一体どれだけの人々がこのお菓子の為に尽力してきたことでしょう。こういう時の流れやルーツを深く知っていくと、ロマンを感じずにはいられませんね。
これからカステラを食べる時、ちょこっと思い出しては更なる深みを感じてしまいそうです。

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